のちの東京急行電鉄である目黒蒲田電鉄と東京横浜電鉄が初期に製造した電動貨車のうち、大東急成立後にデト3011となったものを1947年に譲受、電動貨車2とした。同時にデト3012も入線したが、こちらは結局使用されなかった。

凹形2軸電動貨車であるが、元が鉄道線の生まれであり、入線に際してはパンタのポールへの交換(東急時代にはヤグラ組みのパンタ台があったが、江ノ電では前後の運転台から鋼材を渡し、その上にポールを載せていた)、長物積載のための運転台幅詰めが行なわれた。これによって前面両端窓が極端に狭い独特な風貌ができあがった。なお、乗務員扉はそれぞれ進行方向左手側にのみ付けられていた。

連結器は移籍時には既に自連に交換されていた(新製時はバッファー・リンク式で、バッファー取付穴は残っていた)が、鉄道線譲りの大きな自連は最後まで本車のみの存在だった。

戦後混乱期の入線でもあり、買い出し客輸送に動員されたこともあったというが、後には本来の工事用・保線作業用に使われ、鎌倉駅西口乗入に際する改良工事にも使用されたほか、バラスト撒布などでも活躍していた。塗装は一貫して黒(下廻りグレー)で、営業車同様Zパンタ化はなされたものの入線時の形態を大きく崩さずに働いた。また、戦後10形以前の江ノ電では唯一、側面(アオリ戸)に社紋が記されていた。

沿線の道路整備が進むと当車の出番も減り、1970年、601+602入線時に電動機を譲って廃車となった。

編成

藤沢 鎌倉
2

各種データ

製造所 ---
制御方式 抵抗制御
駆動方式 吊掛式
車体 木製
車体長 6.62m
自重 8.75t(東急時代)
製造年 ---
最大在籍数 1輌

模型製品 今のところNゲージのみ
ペアーハンズ
江ノ電 電貨2  真鍮製キット(現在絶版 イベント限定品?)
真鍮製トータルキット。Nゲージ規格での制約上、多少オーバースケールの部分も見られるが、小型動力も含み自走可能の本格的なもの。1964年までのポール仕様。

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