▲現在の5603F(2012.03.01 大船〜富士見町)
2007年、550形553Fの代替用に3連1本(5503-5203-5504)が製造された。5300型を基に、近年の情勢や前編成の使用実績からマイナーチェンジを加えたものであり、基本性能・形態は5301Fに準ずる。車号の末尾も5301Fの連番となっている。

大きな変更点としては、2003年の大邱地下鉄放火事件を受けての法令改定に対応して、車輌間の貫通路を密閉式として引戸を設けた点が挙げられる。千葉都市モノレールでは以前から設けられていた設備だが湘南モノレールでは初であり、これによって貫通路周囲の外板に僅かな張り出しができ、車内車端部の構造にも変更があったため定員が1名減となった。なお、この変更がなされたのは先頭車のみで、中間車は従来通り背の低い開き戸の仕切扉を踏襲、定員・番代にも変化はない。

客席は5301Fの集団見合い式を廃し550形に近いボックス配置とされた(車端の一人掛け座席は踏襲され、ロングシートは併用されていない)。また運転台脇の小窓は550形とほぼ同じ位置まで高くなり、細かいところでは、車内の車号・製造年表記は5301Fのプレート式からステッカーに改められた。なお、ヘッドマーク支持用金具は当初から取り付けられており、方向板は赤文字のものを使用している。

一見して最も目につくのは帯色が青色とされた点であり、湘南モノレールで初めてとなる個編成の愛称名「湘南ブルーライン」もその帯色に因んだものである。本編成登場時には、今後の増備車1編成毎に帯色を変える計画も表明された。車内の貫通扉も帯色と合わせてライトブルーの化粧板張りとされている。

2007年10月25日搬入、同12月5日より営業を開始し、定期運用で走行していたが、2008年2月24日、下り運用中に西鎌倉駅で冒進事故を起こし、以降は原因調査等のため深沢工場に入場。原因調査ののち、運輸安全委員会の調査報告が提出されてからはそれを受けての復旧が進められた。運用離脱は約2年間続き、2010年2月26日から復帰を控えた試運転を開始、同3月23日から運用に復帰した。

離脱中の整備で搭載機器が後続の5605Fと同等になったと思われ(運転状況記録装置の搭載等か)、両先頭車が5503・5504→5603・5604に改番、中間車の形式標記も「5200」→「5200A」に変化している。前面貫通扉内側のヘッドマーク支持用金具はこの際取り外され(5605Fには同時期に新設されているが、流用か?)、しばらくはないまま運用されていた。

編成

大船 湘南江の島
5001F 5603←5503 5203 5604←5504
2010改番 2010改番

各種データ

製造所 三菱重工
制御方式 VVVFインバータ制御(IGBT素子)
駆動方式 直角カルダン式
車体 アルミ製
車体長 12.75m
自重 5500形17.1t、5200形16.3t
定員 5500形70人、5200形82人
製造年 平成19年
在籍数 1編成

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 ディテール
2009.08.23 2007.12.28 2007.12.28 2010.03.23
 登場後の変遷など
2007.11 2007.12.05 2007.12.05 2008.01.01 2008.11.15 2010.02.27 2010.03.24
2011.10.19

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