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▲復活赤電塗装の601+602 運転台前面窓に遮光フィルムが追加されている
(1986年夏 七里ヶ浜〜稲村ヶ崎) ※写真提供:かめさん
1970年、連接車の重連(4連)運転開始に伴う増備車として2編成4輌(601+602、603+604)が導入された。

もと東急玉川線(玉電)の80形であり、木造車20形の鋼体化によりデハ104〜107として誕生。1969年の玉川線廃止後、世田谷線専用となって87〜90に改番されたが出番がなく、江ノ電に購入された。

入線時には併用軌道対応のステップを切除し、2輌永久連結車に改造のうえ投入した。改造に際しては連結側の運転台を撤去、残された運転台は拡大され、これに伴い客扉位置が後退し戸袋窓の幅が詰められている。東急時代のマーカーランプは撤去されたが、尾灯は両端に寄った埋込式のままであった。また改造時の部品流用の都合からか、ドアのパターンは編成内でも一様ではなかったようである。

江ノ電の軌間1,067mmに対し玉電は1,372mmであり、入線時には改軌が必要であった。当車では原車の台車を改造の上で流用したが、主電動機が納まりきらず、105(これによって実質休車)と貨2(同年廃車)のもの、東急車輛のストック品を流用した。

特徴的だったのは登場時の塗装で、アイボリーをベースに窓廻りを鮮やかな朱色とした新しい配色(通称「赤電」。当時の塗り分けは標準色と同様)が採用された。新車であることを強くアピールするのが目的だったようだが、汚れが目立ったためか1972年ごろまでに現行標準色へ変更された。

パンタは玉電時代を踏襲して編成2輌とも藤沢方に載っていたが、これもすぐ後述のように改造され、連接車と揃えられている。

登場後の変化は以下のようなもの。
1972年ごろ
・602・604のパンタが移設され、パンタが編成端に揃えられる(塗装変更と同時?)。ランボードは途切れたまま
1974年
・藤沢駅高架化に伴う勾配対策のため、602、604に主電動機を増設(110のもの、静岡鉄道から購入のものを使用)
1970年代後半
・戸袋窓Hゴム支持化(2段窓のまま)
・ドアをHゴム支持窓のものに統一
1980年
・前面窓中央2枚のHゴム固定窓化
・前照灯シールドビーム2灯化(屋根上の1灯もしばらく存置)
・前面車番を向かって右上から腰板中央に移設
・この頃? 屋上のランボード撤去
1982年〜
・1982年、Hゴム化された前面窓2枚のうち、向かって左をアルミサッシ2段窓化(下段上昇式)

・1983年、603+604廃車
・1987年、601+602の戸袋窓がHゴム支持1枚窓となる
・1988年、602を651に改番
・1989年、列車無線アンテナ取付

江ノ電では連結車は重連運転ができないため(ボギー車を挟んでの3連化も検討されたというが、実現していない)1000系列の登場後は廃車候補の筆頭に挙げられ、603+604は上記の通り1983年の1200形投入に伴って廃車となった。601+602も同様に廃車候補となり、1985年にリバイバル塗色としての「赤電」塗装に塗り直された(金太郎塗り分けであり、登場時とは異なる)が、801+802が先行して廃車され廃車時期が先延ばしされたために標準色に戻され、結局は1990年の2000形登場まで活躍した。

現在は601が古巣である東急世田谷線の宮ノ坂駅脇に、651の前頭部が江ノ島駅付近の「江ノ電もなか」で有名な和菓子店「扇屋」に保存されている。

なお、世田谷線用として東急に残った車輌は同じ玉電引き継ぎの70・150形とともに2002年まで活躍していたが、300系の導入に伴って順次廃車となり、こちらは現存車がない。

編成

藤沢 鎌倉
601 651←602
1988改番
603 604

各種データ(特記なき限り1輌単体の数値)

製造所 川崎車輛
※入線時改造:東洋車両
制御方式 抵抗制御
駆動方式 吊掛式
主電動機 45.0kw×6(601+602。当初は×4)
63.8kw×2(603)
50.0kw×4(604。当初は×2)
歯車比 3.00(601+602)
3.20(603)
3.37(604)
ブレーキ方式 電磁SME
最大寸法
(長×幅×高)
13,920×2,400×3,970mm
自重 22.8t(601)/24.8t(651) ※末期の値
定員(座席) 200人(70人)
製造年 昭和28年(旧型車の更新)
最大在籍数 2編成

備考的写真 クリックで拡大

 ディテール
2008.10.27 2008.10.29 2008.10.29 1980.02
 いままで
1979.11 1985 1986 2008.10.27 2008.10.29 2005.06.26 2006.01.03

Nゲージ模型製品
GREENMAX
江ノ電600形タイプ(1987年)  プラ製キット
乗工社の800形タイプ以来の旧型車製品。1000形タイプキットの付録ボディ(単品売りの例もある)で、戸袋窓が1枚ガラスとなった最終期の姿。前面・側面は同じものが2枚ずつ含まれ、ここから1輌を組むため素組みすると両運となる(連結化にはモールドの削除、動力ユニット短縮加工などが必要)。2000年にはキットが塗装済へ移行したためこの付録も塗装済となったが、それ以前にも塗装済のものがPCソフトの付録に付けられたことがある。
MODEMO(ハセガワ←長谷川製作所)
江ノ島電鉄 600形(2002年)  プラ製完成品9,240円
連結車の作りやすさのためか、MODEMOの江ノ電製品としてはタンコロに続く製品化となった。プロトタイプは前照灯1灯、ドア・戸袋窓改造前のごく原形に近い姿。先に発売された東急仕様との差異はしっかり表現されたが、連結面の窓は東急の更新車と共通の2段となっている(実車は1段)。
江ノ島電鉄 600形 "赤電塗装"(2002年)  プラ製完成品9,240円
上記製品のカラーバリエーションで、入線時の「赤電」塗装としたもの。パーツの組み換えで、パンタが2輌とも藤沢寄りにある最初期の仕様が再現されている。
江ノ島電鉄 600形「2灯型」 "標準塗装"(2007年)  プラ製完成品9,450円
シールドビーム化後の2灯仕様。プロトタイプは前面窓が片側アルミサッシとなった1982年以降の601+602だが、戸袋窓が2段となっている点がGM製品と異なる。屋上ランボードがなく、扉窓はHゴム支持窓となるなど上記2製品と作り分けが図られ、連結部の窓も1段に修正されている。
江ノ島電鉄 600形「2灯型」 "赤電塗装"(2009年)  プラ製完成品10,080円
1985〜87年頃、601+602に施されたリバイバル塗装。「2灯型」のカラーバリエーションで、成型品自体は同様のもの。専用のサボやヘッドマークを収録したステッカーが付属。
その他
バンダイ「Bトレインショーティー」シリーズにおいて、600形「赤電」塗色と現行標準色の2種が発売されている。前面はそれぞれ1灯と2灯の両方が含まれ、選択によって4種のバリエーションが製作可能である。江ノ電駅売店などのほか、一般模型店にも流通。

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